食の知識欲 旺盛
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◆フードアナリスト人気、都内ガイド来秋に出版
食に関する情報を評価・解説する資格「フードアナリスト」が人気を集めている。「おいしい店を知りたい」「食べることが好き」などの興味をきっかけに食文化の奥深さに目覚め、上級の資格を目指す人もいる。来秋、フードアナリストによる都内の飲食店250店の格付け本も出版される予定だ。
(中野真也)
フードアナリストは、元証券マンの横井裕之さん(44)が設立した会社「アテナイオス」の登録商標。投資などの格付け情報の分析に携わった経験から、フランスの「ミシュランガイド」とは違う、日本人が自ら格付けして自国の食文化を発信する仕組みとして考案。3年前、「日本フードアナリスト協会」(千代田区)を立ち上げた。
検定試験は年に3回。資格は4級から特級まであり、4級は世界の料理の概要やテーブルマナーなど基礎的な知識が問われ、級が上がるにつれて専門性が高くなる。合格後、協会に入れば会員となり、フードアナリストの肩書で雑誌などにコメントできるほか、覆面調査員として飲食店の調査にあたる。
資格をもった会員は現在約4千人。女性が約8割を占める。平均年齢は32歳。女性は20~30代が多いのに対し、男性は50~60代が中心という。会員数はこの1年でほぼ倍増した。
さらに食の知識を深めるため、協会は会員向けに「食育」「パン」「ビール」など約60のテーマで勉強会を開いている。新宿区内のレストランで今月開かれたワイン講座には14人が参加。シャンパンの定義やラベルの見方などの説明を聞いていた。
受講した世田谷区の中川忠さん(55)は「レストランで食について幅広く考えさせられる機会をもらえた」。港区の永井香代さん(41)は「もともと食が好きだったが、学ぶと本当に奥が深い」と話す。
出版を予定している格付け本は、フードアナリストが都内の飲食店を「料理」「内装」「サービス」「安全性・清潔さ」の各項目で5段階評価する。横井さんは「謙譲や謙遜(けん・そん)といった日本的な感覚も評価の対象にして、世界に紹介できる店を発信したい」と話す。同協会は「食の安全」に関連して、レストランの安全性を認証する仕組み作りも進めているという。
問い合わせは同協会(0120・650・519)へ。